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速度理論とは その4

sub05.3

それが上のグラフ3に示しますように、速度(時速・分速・秒速)であったのです。クラスを特定して各距離における速度の頻度分布を作成して比較したところ、距離毎の平均速度は走破する距離が長くなるに従い、低下しますが、速度の頻度分布の形状と幅は距離毎に略一致し、さらに平均速度を中心に左右対称な形を示した訳です。この事は、馬のタ イムを速度(時速・分速・秒速)に変換して各距離毎の平均速度(基準速度-厳密には影響速度)との差を求めれば、即、その速度差は馬の能力を示し、且つ、速度の価値は基準速度より大きくても小さくても価値は変 わらないので、馬の能力の比較が数学的な意味でも破綻なく可能であるとの結論に達した訳です。しかしながら、速度の頻度分布はシェルドンの指数よりは左右の非対称性は改善しているが、完全な左右対称性とは言い難いし、正規分布と言いながら多峰性のグラフになっているではとの指摘をされる方がいるかもしれません。そこでまだ、仮説ですが一応理由を述べさせて頂くと、多峰性である理由は、まだ個々の因子(馬齢の区切りが荒すぎる或いはクラス下の細かい賞金がバラバラなど)が処理されていない生データであるため突出した因子の影響が出ている事。速度の遅い方に裾が広がっている理由は、これは勝負にならないレースでは騎手が無理しない事あるいは道中での気が付かない程度の事故,故障で速度が落ちるなど色々原因が考えられます。 多峰性、速度の遅い方に裾を引く現象は数量化分析並びにデータクレンジングを行えば解決出来ると考えています。言い換えると、多峰性及び非対称があるからこそ数量化理論を導入出来た訳です。

速度理論とは その3

シェルドンの指数は80を基準値として能力の高い馬はそれより高い数値を示し、低い馬は低い値を示しますが、基準指数である80が分布の中心には現れず右側の方にずれています。この事は、基準指数より大きい指数と小さい指数の価値が違う事を意味しています。従って指数で表した馬の能力の比較は、タイムで直接比較するよりは 遥かに正確とは言えるのですが、厳密な数学的な意味では無意味な行為と言わざるを得ません。これは統計学の初歩である観測数値が正規分布を示しているかをまず調べてから数値解析を行うと言うステップを無視して、指数が正規分布をしていない事実を見落とした事によります。そこで私は、馬の能力を現し、且つ正規分布を示すパラメータがな いか探した訳です。

速度理論とは その2

sub05.2

この点を解決したのが、アンドリュー・ベイヤーが体系づけしたスピード インデックス(フギュア)と言う考え方です。スピードインデックスそのものは、ベイヤーのオリジナルでは無く、ハーバード大学で同級生であったシェルドン・コービッツが考えた方法であると記述されています。当時のスーパーコンピュータであるIBM360を駆使して、ある特定なクラスの各距離の平均タイムから各距離の1秒の価値を等しくする数学的にも精緻な方法で、日本で普及したスピード指数とは別次元の巧妙な手法です。しかしながら、シェルドンは数学的に基本的なミスを犯していました。それは補正された指数の分布の形です。 確かに各距離の指数頻度分布の形状は、綺麗に一致し、1秒の価値は見事に補正されていましたが、分 布が左右非対称になっていたのです。その状況を上のグラフ2に示します。データ1997年~1999年の全レースから採録しました。また、グラフ中の馬齢は1月1日変更の数え年になっています。