記号の効率 大数の法則か、効率化仮説か?

数量化理論による2008年の3連複、3連単予想において、回収率の点では100%の壁を大きく突き破っています。どうも必勝法であるらしいのですが、この理由を大数の法則と効率的市場仮説との対比で解説したいと思います。競馬には必勝法が存在しないとする理論的な根拠に大数の法則が頻繁に引用されます。果たして、この引用は正しいのでしょうか。正しくもあり、正しくもないと言ったところですか。馬券(複勝から3連複ぐらいまで)の一番人気の回収率は大体75%前後に落ち着くようです。また、この75%と言うのはJRAの控除(国への税金、運営費、賞金など20%から25%)を引いた数字と略同じになることから、大数の法則、75%、JRAの控除の3点セットで競馬には必勝法が存在しない事になっているようです。しかしながら、本当のところは大数の法則も控除も直接には関係なく、回収率75%が導出される本当の理由は馬券市場において”効率的市場仮説”のウイークフォーム(多分)が成立していると考えるのは論理的ではないかと思います。

下のグラフ並びに表は2007年~2008年の全てのレースの単勝人気順1位と当該券種の人気順1位の的中率と回収率を調べたものです。一般的には同じ様な印象で受け取られていると思います。事実、的中率では殆ど差がありません。しかしながら、不思議な事に回収率には大きな差があります。特に3連単では単勝人気順が61%に対して券種としての3連単1番人気は52%と大きく下がります。また、3連複の75%、73%とも大きなさがあります。サンプル数は相当大きいので偶然の出来事として片付けてしまうには大きすぎる差と考えています。この事実をどのように説明するかです。これには情報の拡散速度も絡んでくるようです。

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記号の謎 Beyer Speed Figuresの謎 Part1

1992年、シカゴの街角で入手したのはDaily Racing Form 実にA3で88ページに及ぶ競馬専門紙でした。値段は内容に比してそれ程高くなく$2.85(日本の専門紙と同じくらい)でした。但し、紙質は悪いですね。この中で目を引いたのがExplanation of Beyer speed figuresでしたが、当時、彼の著書”Picking Winners”の翻訳が出ていたので、その内容について深くは吟味しませんでした。しかし、この1992年はBeyer speed figuresにとって特別な年である事を後年知ることになりました。即ち、この年1992年よりDaily Racing Form紙が全面的にBeyer speed figuresを取り入れ、以後一般化される最初の年だった訳です。

Beyer speed figuresは良く考えて見ると非常に謎めいた存在です。”Picking Winners”邦題”勝ち馬を探せ”を読んでも、特にその数学的なアプローチについてはどうも良く分からない所があります。今回取り上げる”Explanation of Beyer speed figures”を完訳と言うより私なりの超訳して、その謎あるいは疑問に切り込んで見たいと思います。本文に入る前に、最初の謎は何故”figure”なのかです。正確には複数形で”figures”ですね。RatingでもなくRatioでもなくPointでもなくIndexでも無い理由です。”figures”はKgとかKmとかの単位系を持つのか持たないのか?

”figures”の訳としては算出値、数値、合計値などが無難なところですが、ベイヤーが目指したものは単一な数字で競走馬のある時点で持つべき全ての能力を代表させ顕わす目的からすると秋葉のフィギュアあるいはスケートのフィギュアに近い概念ではと感じます。即ち、競走馬の一次元の数的フィギュア(一次元写像 One-Dimensional Mapsと英文ではなりますが、一般的には何の事やら分かりませんね)ではないかと思われます。従って訳としては”フィギュア”が適訳になるのかな。

ところで、試訳を試みる前に、ごく最近のBeyer speed figuresの評価はどうか、気になるところが有り、調べてみましたら、非常に興味深いブログに行き当たりました。ここ数年、欧米では全天候型人工走路の導入が急速に進んでおり、これがBeyer speed figuresに深刻なロジック上の混乱を引き起こしているようです。これは、これから述べる謎あるいは疑問に絡んでおり、これからの行方が興味を引きます。

記号の劣化 競馬予想は進歩していたのか?

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今年2008年のダービーの馬連も万馬券になりましたが、最近万馬券の発生件数が多くなったようです。昔に比べれば3連複、3連単など券種が増えたので、万馬券の絶対数が増えるのは当然なのですが、券種を馬連あるいは枠連に限定しても増えているのではと思い、ここ十数年の万馬券数を調べたのが左のグラフです。

グラフを見て驚いたのは増えている事実でした。中央競馬の年間レース数は288日に12レースかけた3456レースを基準にして台風や雪などで中止される数レースから十数レースを引いたレース数で略一定しています。2000年以前は馬連で350本程度だったのが近年では400本を越していますし、枠連でも70本程度から100本程度まで増加しています。

この増えている原因をどう捉えるかです。近年インターネットの進歩普及により競馬情報は溢れていますし、予想技術も飛躍的進化を遂げたとする論調が支配的ですが、そうであるならば、馬連・枠連万馬券は減少してもいい筈なのに何故?本当は総体としての競馬予想力は劣化しているのでは?。

予想力が劣化しているかどうか別として、ここ十数年で確実に起こった事は”競争原理”の導入でしょう。有力地方騎手の中央への移籍、昇級ルールの見直しによる弱い馬の排除、メリット制導入による厩舎の選別等など、これらにより生じるのは同一レースに参加する総体としての馬の能力(単に馬の能力だけでなく騎手、調教師、生産牧場などの能力を含めて)の均等化が起こり、結果として偶然性により強く支配され万馬券の出現が多くなったのではと考えています。均等化はレース内での事で、騎手、調教師、生産牧場間の能力は近年ますます拡大して二極化していると感じています。

もう一つの万馬券の多発の原因かも知れないのは、3連複特に3連単へのシフトで馬連・枠連市場が急速に縮小した事ですね。大きな市場と小さい市場では効率化の程度に差があるとおもわれますので、この影響かも知れません。