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記号の未知  ダートの痛み方

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芝は生き物ですので、その上を馬が走れば痛みますし、痛みの度合いは連続使用された日数に比例して酷くなって、結果競走馬の走破速度は低下します。即ちタイムが掛かるようになります。一方ダートは日本では基本的に砂であり、無機物ですので、傷むと言う事は有りません。従って、連続使用してもタイムが悪くなる事はありません。

しかしながら、良く考えてみると日本には四季があり、冬場は乾燥しますし、夏場は非常に蒸し暑くなり。日本のダートは砂ですので乾燥すれば足を取られます。また、湿りを持てば砂は走りやすくなります。そうです。ダートのタイムは四季によって上下する訳です。冬は遅く、夏は早くなる訳です。そのような状態を左上のグラフは示している訳です。

記号の未知  芝の傷み方

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今年の夏の北海道は函館との絡みで札幌競馬は3回連続となります。3回連続(体裁上は2回x12日)とは日数に直すと24日連続と言う未知の世界になります。芝は生き物ですから、当然四季の影響を受けます。また、芝は非常に成長力は旺盛ですが、残念ながら一週間では元に戻る事はできず。日数を経る事にタイムは悪くなります。

ところで、競馬開催の日程ですが、通常開催場所の後に○回X日と表示されています。○は回次と呼ばれとおり、通常8(X)日開催からなっています。それでX日は日次と呼ばれ、通常度土日が4週で8日となる訳です。従って競馬の始めの日は土曜日で日次では1日目になります。それから日曜日が2日目、次の週の土曜日が3日目、翌日の日曜日が4日目、次の次の次の週の土曜日が7日目、日曜日が8日目となり競馬の1回次が終了します。

競馬の初日とは1回1日、2回1日は無条件で9日目。何れも違います。ややこしい事に年次によって違ってきます。具体的には中山1回1日と京都1回1日は1日目では無く、変則9日目にあたります。また、2回1日は連続開催の9日目になることもありますが、1ヶ月あるいは2ヶ月してからの1日目になることもあります。経過日数など簡単に出せると思われるかも知れませんがプログラムとして実装するとなると非常に手間取ります。

何故このように、連続開催の経過日数にこだわる理由ですが、コースが十分整備できる期間を置いた初日と連続開催の初日では芝コースに於いてはタイムが全く違ってくる為です。さらに言えば芝が枯れる冬場と芝が成長盛んな夏場でも違ってきます。左上のグラフが其の辺りの現象を捉えたものになります。また、速度理論と数量化分析のモデル構造を公開したのは、このあたりを指数理論と差別化するためです。即ち、一般的な指数理論の基準タイムは諸々の係わり合いが、込み込みなってしまい、真の基準タイムとは乖離していると言う事です。

記号の魔界 東京芝2400m馬番18は緑の魔界

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皐月賞大敗組みのワンツー、そして皐月賞1着馬で単勝人気2.1倍の一番人気馬の大敗、今回の日本ダービー(優駿牡馬Jpn1・2009年5月31日)は予想の所作をあざ笑うような結果でした。速度理論の予想もオークス(優駿牝馬Jpn1・2009年5月24日)のようには行かず的中はしませんでしたが、殆どの予想が本命ないし対抗とした単勝1番人気のアンライバルトの予想順位を今回の結果に近い14位(確定順位12位)としました。即ち、全くの無印にしていた訳です。速度理論はアンライバルトの本当の強さを見抜いていたかもしれませんが、もう一つアンライバルトが勝てない理由も同時に示していたようです。速度理論の予想因子の中に東京の芝の2400mの馬番18の上がり速度がありますが、この予想因子の値が他のものに比べて大きなマイナスの値を持っていた訳です。これがどうのような意味を持つかと言えば、東京の芝の2400mの馬番18になった馬は、相当に傑出した能力を持たない限り、勝つ事は殆ど無いという事で、今回のダービーではその通りになったようです。

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ところで問題なのは、この東京の芝2400mの馬番18の上がり速度が何故大きなマイナスになったかです。サンプルとなったのは2004年から延べ18頭いました。ダービーは2004年から算入されますので5頭です。サンプル数18と言うのは大きいか小さいかですが、どちらかと言えば非常に小さいものです。芝コース全体では約10万サンプルあります。ただ、多変量解析の手法からは18でもかなり信頼すべき値になります。東京の芝2400mの馬番1から17の上がり速度は実は余り変化がありません。馬番18だけ特異的に大きなマイナスとなっています。

緑の魔界の魔物とは芝生の事です。日本の競馬場には主に2種類の芝が使われています。主役は野芝、学名 Zoysia japonica 、日本に自生する芝から改良された品種で別の場所で育成されたものを移植(貼り付けて)して造成する。冬季は枯れる。もう一つは 洋芝・イタリアンライグラス(Italian ryegrass)、学名 Lolium multiflorum Lam. 本来は家畜の餌にされる牧草で非常に成長が早く播種(オーバーシード)によって簡単に緑化できる。冬季も緑を保つが夏の暑さには弱い。この2種類の芝により現代の競馬場は通年緑に保たれるが、実際、手で触れると、この2種類は全く別物である。野芝は私の田舎の道にも使われていましたが、根張りが良く、葉もしっかりしていて踏圧には非常に強いようです。一方、イタリアンライグラスは葉は柔らかく簡単に千切れます。実際、英国のゴルフ練習場で歩きましたが靴に纏わり付き、クラブは非常に重く感じました。特に水気が多いとどうにもならない状況でした。また、イタリアンライグラスの驚くべき点はその成長力です。今の時期ですと一日当り数cm(2~3cm)に達するようです。一方、野芝は実感として良くて数mmと言ったところです。イタリアンライグラスのボリュームはダービーの時点では考えられないほど大きさになっている筈です。

どちらの芝生が魔物かと言えば、当然イタリアンライグラスとなります。それとダービー週には仮柵移動が行われるようです。今回は一番外側になるCになり。仮柵移動によって荒れていた最内は使われなくなり、適度に踏圧された最内が現れ、今回はロジユニバースが最大限利用したようです。仮柵移動により大外18番の右側には踏み荒らされていないイタリアンライグラスの一見緑の楽園が出現し、こちらへと誘っている訳ですが、実際には緑の魔界であり、特に水分を多く含む場合、まさしく魔物です。馬番17番と18番の違いは右側に馬がいるかいないか差であり、馬番18の馬はどうも必ずイタリアンライグラスと言う魔物にスタート後暫くは足を取られスタミナを消耗して、最後の上がりで力尽きているようです。今後東京芝2400m馬番18は勝つ事は無いだろうし、馬場が悪化したら絶望的と考えられます。

よく出来た作り話か、出鱈目な作り話か、それとも真実なのか? なお、データは2004年以後の実際のレースを元にしていますので、それ以前のレースに当てはまるものではありません。