前の記事で、3年間と言う比較的長い期間で騎手の能力は変わらないとする仮説が微妙である事に触れましたが、武豊騎手の今年(2007年)はやはり特別な節目の年のようです。現在検討中のモデルでは、下のグラフのように2006年までの約3年間は走破速度に対する影響度は02Km/hrより少し上で安定(一般的な仮説として3年間一定は妥当とも言えます)していましたが、2007年前半では0.08Km/hrまで低下しています。
さらに、上がり(ゴール前3F)速度をみますと、2004年後半をピークに徐々に低下してきています。これはディープインパクトの存在を考えるとやや不思議な事です。2004年から2006年に掛けてはディープインパクトの成長に合わせて、特に上がり速度上昇しても良い訳ですが、逆に低下していますので、この数値は武豊騎手自身の力の低下と考えるのが至当と思われます。
今年(2007年)の状況をグラフから読み取ると”後ろに控えて差し切れない”状態が続いているようです。別の感想としては思いのほか綺麗なと言うか理屈を立て易いデータが得られたのには驚きました。しかし、実際のレースを予想してみると意外とダメな事も有りますので、難しい物です。
さらに下のグラフは最近活躍が目立つ若手の松岡正海騎手の足かけ4年のデータです。最終的なパフォーマンスの指標である走破速度に対する影響速度は武豊騎手の0.08Km/hrを越して0.12Km/hrを示しており、2007年前半時点では武豊騎手の技量を上回っています。ただ、2004年後半から絶対値としての松岡正海騎手の影響速度は殆ど動いていません。従って、大筋としては騎手の能力は3年間位は安定していると言う仮説は採れると考えています。短いスパンで、サンプル数を少なくしてして解析した場合、オーバーフィッティング(過剰適合)の危険性も有り、悩ましいところです。







