2007年4月21日HNK・BS2で放映された運命の一手 渡辺竜王VS人工知能・ボナンザで終局近くに将棋ソフト・ボナンザの開発者の方が投了の作法を良く知らなかった事(一寸訂正、知ってはいたがソフトに実装しなかったようです)や人間としての将棋が非常に弱い事から将棋の本質を理解していないのではと思われている節が有ります。特に将棋での感性や大局観など、凡そ人間的な部分を持ち合わせていない、ただただコンピュータのハードに詳しく機械的で温かみの無いロジックを操る人と見られているようです。しかし、本当は真逆です。ボナンザの開発者はプロ棋士以上に将棋の感性や大局観もっている訳です。即ち、ゲームとしての将棋の本質を誰よりも理解している事になります。将棋の本質を理解する上では投了の作法など瑣末な事ですが、どうも将棋の美学などを持ち出されて別の方向へ持って行かれる議論が多いようです。
ところで、何故ボナンザの開発者に将棋の感性や大局観が有るとしたかですが、一にも二にも機械学習を有効に作動させたからです。ボナンザの画期的なところは機械学習にあります。本当は機械学習が主役で全幅探索は脇役なのですが、コンピュータを前面に押し出したいのか説明がややこしい機械学習(全幅探索と不可分な部分もあるのですが)は脇にどけられているようですね。今日(2007年5月2日)Bonanza Classic1.0(無料です)が発表されましたが、その説明の中で10,000以上の特徴パラメータを機械学習で求めたとされていますが、そもそも特徴パラメータに何を設定したら良いかを決めるには高度な将棋の感性並びに大局観がなければ出来ません。将棋の感性と大局観などを人間として実現させたのはプロ棋士ではあるのですが、感性ならびに大局観はプロの専売ではありません。感性とか大局観はもっとグローバルなもので生身の人間としての棋力とは別なものである訳です。チェスも将棋もまだオセロのように完全探索が完了していませんので、その時が来るまでソフト開発者には鋭い感性と大局観が要求される訳です。


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