競走馬の走る能力が如何なるものか不明あるいは誰でも認める定義が出来ないにしても、遺伝学的重要性は父馬と母馬とを平等に見るべきである事は自明です。
しかし、競馬においては、特に血統については、話題にされるのは父馬が圧倒的に多くなります。理由は産駒の数の差にあります。父馬は評判さえ良ければ、産駒は数百から千頭(サンデーサイレンス)を越すことも可能であり、産駒の残す延べデータ数は数千を越す事も可能であり、その優秀性を示す材料も豊富に得られ、理屈や物語を創生し易いと思います。一方母馬については産駒の数(多くても20頭)が少なく、産駒の残す延べデータ数は制限(100を越す事は殆ど無い)され、理論の材料としては取り扱い難い対象です。
競走能力の実態は良くわからなくても、量的形質すなわち、多くの遺伝子が関与して、さらに遺伝子間の相互作用、また環境(牧場、調教、騎手など)も作用して競走能力が発現するものである事は確かです。
ところで、遺伝するものの実体としては核内遺伝子と核外遺伝子の2つが大きく分けて考えられます。核内遺伝子は、馬の場合、32対64本の染色体に別れて存在する訳です。馬の競走能力に関係する遺伝子は量的に多い常染色体(31対62本)に乗っている確率は非常に高いのですが、競走能力が量的形質として多数の遺伝子(ポリジーン)関与していること、減数分裂時に遺伝子の組替えが起こる事など考えると5代10代を経て同じ競走能力が伝わる事は無いと考えられます。消失点母2に続く。

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