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競走馬のグレートマザーを探せ!

遺伝学による競走馬の能力の推定は種牡馬をベースに行っていますが、遺伝の原理から考えれば母馬も子馬に少なくとも血量の表現を使えば50%寄与している訳ですから種牡馬と同等な血統上の評価を与えて良い訳です。しかしながら血統理論では種牡馬のサイヤーラインのみが脚光を浴びています。理由は繁殖牝馬から生まれる子馬の数が多くても15,6頭と少なく延べ出走数でも最大でも100出走程度で解析しても信頼度が確保できない為、重要であるが無視されてきたきらいいが有ります。ところで遺伝で注目されて来たのは核内遺伝子ですが、一方、動物のエネルギー代謝を司る重要な器官であるミトコンドリアに代表される核外遺伝子があります。この核外遺伝子は母から子にしか受け継がれません。それも変異が無ければ100%子供に伝えられます。核内遺伝子が1代で50%、2代で25%、3代で12.5%と先祖の遺伝子の影響度を減らしていくのに対し、核外遺伝子は10代100代1000代でも減ることは有りません。そこで、この5年程で出走経験のある競走馬から母系のみで遡り、もっとも多くの現役馬を出している母系の牝馬をグレートマザーとしてその影響度求めて見るのも面白いと考えられます。今まででもこのような作業は可能であったと思いますが、4月よりサービスが開始されるJRA-VAN Data labでは血統図が非常に強化され簡単に検索が出来そうな感じが出てきました。ただ、母系はサラブレッドの血統図から消滅しているものも多いと思われ、この5年間の子孫の出走数が1000以上確保出来るグレートマザーがいるか心配ですね。もうひとつは繁殖牝馬のデータが充実した事により母馬の出産馬齢が比較的簡単に入手出来るようになり、母馬を中心とした血統論が構築できるのが楽しみですね。

勝率・連対率は競馬予想に不必要?

2003年のプロ野球セ・リーグでは、18年振りに阪神タイガースが優勝しましたが、理由は何でしょうか?それは一つしか有りません。阪神タイガースが、セ・リーグの他の5球団と対戦して140戦87勝51敗2分けで”勝率”が6割3分でセ・リーグのトップであった事です。一方、パ・リーグは140戦して勝率5割9分9厘のダイエーホークスが優勝しました。ここで、何かの不都合で日本シリーズを行うことが出来なくなり、2003年の日本プロ野球機構はリーグ戦での勝率を比較してセ・リーグの阪神タイガースを日本一として認定したとしましょう。後半は架空のお話ですが、多分大部分の方は全く承伏できないと思います。そこで承伏できない理由は何かですが、タイガースとホークスが一度も直接に戦っていない事です。言い換えると、確かにリーグ戦での”勝率”ではタイガースが勝っていますが、対戦相手は読売ジャイアンツ等のセ・リーグの5球団であってパ・リーグの球団であるホークスでは有りませんし、当然のことながら近鉄バッファローズなど他のパ・リーグの5球団でも有りません。即ち、”勝率”の背景(戦った相手が共通していない)が違うから両者のリーグ戦での勝率で強さを決められないと言うことです。しかし、タイガースもホークスも日本のプロ野球と言う一つの括りの中の存在であって、オープン戦等で一応の力関係も明らかにされていますので、日本一を決めてしまうなど乱暴な事でなく、日本シリーズの行方を予想するのに使う位は許されるのではと考える方も多いと思います。従って、競馬の予想に勝率(1着になる率)ないし連対率(1,2着になる率)を使用するのは有効であると言えるかも知れません。問題となるのは勝率ないし連対率の厳密さ信頼性はどうかになります。別な表現では背景の同一性がどこまで担保されているかです。競馬の予想において勝率・連対率は必要かどうかの結論を出す前に、背景の同一性とは如何なるものか”薬と競馬予想”のタイトルで論じてみます。