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必勝法は存在するか?(2)

(1)では,少々あやふやな論になってしましまいたが、今回も抽象的な表現で申し訳無いのですが、必勝法の私的定義に触れて見たいと思います。数学でベクトルと言う言葉が出てきますが、今回はこれを使って表現します。ただ、数学的な厳密な意味でなく、意見あるいは結論が相手と合う場合などに”ベクトルの方向が一致している”と言うような軽い意味で使います。

競馬には基本的には2本のベクトルが存在していると思います。
1本目は、実際の着順を決定する総合能力(馬だけでは無く騎手、調教
師等の能力を総合したもの)ベクトル。2本目は、人気ベクトル(単勝人気)。この2つのベクトルは略同じ方向を向いていますが、必勝法は2つのベクトルの間に存在していると考える訳です。ただ、人気ベクトルと能力ベクトルが一致している場合には必勝法は存在し得ません。しかし、現状は万馬券等が頻発して2つのベクトルの方向が相当ずれていますので”必勝法は存在できる”と考えます。

つづく….

牡馬と牝馬の差

牡馬と牝馬に分けて数量化分析を行った結果判った興味深い現象は前述した斤量と父馬、母父馬に関するもの以外に以下の2点も面白いと思います。

1.馬体重に関して、牝馬の場合、馬体重が重い馬程、芝の上がり
スピードが低下している事。牡馬は平均馬体重近辺が最も早く、
それより重くても軽くてもスピードは落ちます。

2.馬齢に関して、牡馬は4,5歳をピークに暫減して行くが、牝馬は
微増して行きます。

1、2、とも生物学的な性差がベースに有るとは思いますが、2に関しては、牡馬は5歳位で上位の馬は種牡馬になる為かも知れません。牝馬に関しては、上位の馬は繁殖牝馬にするよりも、さらに走って賞金を稼いだ方が経済的にはメリットがあるからではと思います。

脚質は戦略である。

先日のエリザベス女王杯のゴールでの接戦は久しぶりに見ごたえのあるシーンでした。戦前の予想では逃げると考えられたトゥザヴィクトリーが一転、後方待機の戦術を取り、計ったような差しきり勝ちを収めました。ここで一寸前にフランス競馬に参戦している武豊騎手を取材したTV番組を思い出しました。武豊騎手は、この番組で欧州競馬の特徴はその高い戦略性にあると言っていました。エ女王杯の結果を見てなるほどと思いました。

ところで、競馬の常識として個々の競走馬には、先行、差し等、脚質があるとされていますが、数量化分析を行ってみますと個々の馬には脚質を一定なものとして示す数値は殆ど得られません。時系列に個々馬の上がりとペースの変動から先行したのか後方待機したのか中段に控えたのかパターンをチェックしますと、殆どの馬が略ランダムに脚質を変えています。それでは何が脚質を決めているかといいますと騎手と調教師が大きく寄与しています。

武豊騎手は異常に低いペース速度を示し、中館騎手は異常に高いペース速度を示します。高い戦略性は欧州競馬の特徴と感じた裏には日本の競馬にはまだ戦略性が低いと感じているのでは思います。また、この事が、個々の馬が固定された脚質を持っているとされてしまう競馬の常識に繋がっているような気がします。